スペイン語の「見る」を表す動詞 ver / mirar。どちらも非常によく使う基本動詞ですが、実はニュアンスの違いについて学習者からの質問が非常に多いポイントです。
今回の記事では、RAE(スペイン王立アカデミー)の定義に基づきながら、両者の違いを一つひとつ丁寧に整理していきます。
RAEによる ver / mirar の定義
まずは、RAEの定義を確認しておきましょう。
Ver:Percibir algo con los ojos
目を使って何かを知覚・認識すること。
Mirar:Dirigir la vista a algo
何かに視線を向けること。
この定義から分かるように、verは「結果として見えて認識する」こと、mirarは「意図的に視線を向ける」行為を表します。
つまり、両者の違いをざっくり整理すると以下の通りです。
- ver:受動的に「見える/認識する」
- mirar:能動的に「視線を向ける」
このニュアンスを意識するだけで、動詞選択が格段に自然になります。
ver は「認識する」/ mirar は「視線を向ける」
ver は単なる「見る」に留まらず、見た結果として「理解する」「把握する」といった認知的なニュアンスまで含むことがあります。
対して、mirar はあくまで視線を向ける行為そのものを指し、見た結果どう思ったか・理解したかは文義に含まれません。
- María ve el mapa.
マリアは地図を見る。(地図の情報を理解しているニュアンス) - María mira el mapa.
マリアは地図に視線を向ける。(理解したかどうかは不明)
この違いは感覚的に捉えるのが難しい分、例文を多く読むことで定着していきます。
mirar を使う自然な例文
- Mírame.
私を見て(=視線を向けて)。 - Ella mira el cielo. La luna parece que le sonríe.
彼女は空に視線を向ける。月が彼女に微笑んでいるようだ。
mirar は、意図的に視線を向ける行為なので、感情的な場面や描写のある文章でもよく登場します。
両者の対比で意味がクリアになる例
最後に、ver と mirar の違いが最も分かりやすく現れる例文を紹介します。
- Ella mira la esquina del cuarto, pero no ve nada. En cambio, su amigo sí ve un fantasma allí.
彼女は部屋の隅に視線を向けるが、何も見えない。しかし彼女の友人はそこに幽霊が見えた。
この例文のように、mirar(視線を向ける) と ver(見えて認識する) の違いを対比させると、ニュアンスがより鮮明になります。
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