「ネイティブと話す機会がないので、スピーキングが全然伸びません」
スペイン語学習者の方から、こういったご相談をいただくことがとても多いです。

もちろん、ネイティブと話す機会があるに越したことはありません。ただ、試験対策においても、日常的な学習においても、「独学でできるスピーキング練習」はきちんと存在します。

結論から言うと、その中心になるのが音読暗唱です。何でも良いのでご自身がお持ちの教材に掲載されているスペイン語の文章を、何度も声に出して読み、最終的には見なくても言えるレベルまで持っていく。このシンプルな作業を繰り返すだけでも、スピーキング力は確実に変わっていきます。

この記事では、

  • なぜ音読・暗唱がスピーキングに直結するのか
  • 「頭の中のストック」とは何か
  • ネイティブとの会話練習の位置付け
  • 試験前にネイティブ会話を入れるときのポイント

を、スペイン語学習者の方向けに整理してお伝えしていきます。

独学スピーキングの核は「音読」と「暗唱」

スピーキングの練習というと、

  • ネイティブとフリートークをする
  • オンラインレッスンで会話をする
  • 会話スクールに通う

といった「会話の場」を想像しがちですが、その前段階としてやっておくべきことがあります。それが、教材に出てくる文章の音読と暗唱です。

ここでいう教材は、難しく考える必要はありません。

  • 手元の文法書のダイアログ
  • 読解用のテキスト
  • DELE対策本のモデル答案
  • ヨルスペオンラインなどの講座で使用している例文・物語

など、すでにお持ちのものの中から「スペイン語の自然な文章」を選んでいただければOKです。

具体的なステップ:音読 → 暗唱

流れとしては、次のようなイメージです。

  • ① 文章を理解する
    まずは日本語訳や文法を確認し、「何が書いてあるのか」「どんな構造なのか」をざっくりでいいので理解しておきます。
  • ② 声に出して何度も音読する
    発音やリズムを意識しながら、同じ文章を何度も繰り返し読みます。最初はテキストを見ながらで構いません。
  • ③ 少しずつ「見ないで言う」チャレンジをする
    1文ずつで良いので、テキストを閉じて暗唱してみます。あやふやなところだけテキストをチラッと見て補強する、というのを繰り返します。
  • ④ 最終的に、文章全体を暗唱できる状態にする
    つっかえながらでも良いので、テキストなしで最初から最後まで言えるまで持っていきます。

ここまでできると、その文章は完全に「自分の中に取り込まれた表現」になり、単に読めるだけでなく、口から自然と出てきやすい状態になります。

「頭の中のストック」が増えると、勝手に話せるようになる

音読・暗唱を続けていくと、少しずつ頭の中にスペイン語の文章の「ストック」が溜まっていきます。

最初は単純に、

  • 決まった文章を、決まった形で再現できる

という段階ですが、続けていくうちに、

  • このフレーズとあのフレーズを組み合わせれば、別のことも言えそうだ
  • この表現の主語だけ変えれば、他の人についても話せるな
  • この時制・この語順で応用できそうだ

といった形で、ストック同士が頭の中で結びついていきます。

この段階になると、「ゼロから文を組み立てている」というより、

・すでに頭の中に入っている文章のパーツを、
・その場の状況に合わせて並び替えているだけ

という感覚に近づいていきます。この状態になると、スピーキング力が以前とは比べものにならないくらい楽になっているはずです。

逆に言うと、頭の中に「スペイン語の完成された文章」がほとんどない状態で、いくらネイティブと会話の場数だけ踏んでも、なかなか表現の幅は広がっていきません。

ネイティブとの会話だけではスピーキングは伸びにくい理由

ここで一つ重要なのは、ネイティブと話す練習そのものは良いことだが、それだけでは頭のストックが増えない場合があるという点です。

例えば、

  • レッスン中に先生がたくさんスペイン語を話してくれる
  • その場のコミュニケーションとしては何となく成り立つ
  • レッスンが終わると、頭には何も残っていない

という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

この場合、「会話の経験」は積めているものの、「自分のストックとして取り込めた表現」はほとんど増えていないことになります。これだと、レッスンの回数を増やしても、話せる内容はあまり変わりません。

結局のところ、スピーキングの鍵は、

「どうやって頭の中のストックを増やすか」

に尽きます。

ネイティブとの会話で頭に文章が残りやすいタイプの方は、どんどん会話の機会を増やす価値があります。一方で、話しているときは楽しいけれど、終わると何も残っていないというタイプの方は、むしろ音読・暗唱を優先した方が効率的です。

試験直前のネイティブ会話は「形式に合わせて」使う

とはいえ、試験(DELEやスペイン語検定など)が近づいてきた段階では、ネイティブとの会話練習を意識的に取り入れる価値が大いにあります。

このときに意識したいポイントは、

  • 「ただ話す」のではなく、試験形式に合わせて練習してもらうこと

です。

  • DELEなら、タスク別(プレゼン・やり取り・ロールプレイなど)に時間を区切って練習する
  • 検定試験なら、本番の問題タイプに沿って質問をしてもらう
  • 制限時間を意識しながら答える練習をしておく

ここで重要なのは、それまでに音読・暗唱で溜め込んできたストックを、本番形式で引き出す練習をする、という位置付けです。いきなり本番でやろうとするとパニックになりますが、事前に何度かシミュレーションしておくと、かなり安心感が違います。

まとめると、

  • 普段:音読・暗唱でストックを増やす
  • 試験直前:そのストックを試験形式で引き出す練習をネイティブと行う

という役割分担で考えると、学習全体の効率がかなり良くなります。

ヨルスペオンラインで学ぼう

今回お伝えしたように、スピーキング力を伸ばすうえで本当に重要なのは、「どれだけ話したか」よりも「頭の中にどれだけ良質なストックがあるか」という部分です。

ヨルスペオンラインでは、文法解説だけでなく、物語読解やニュース読解などのレッスンを通じて、音読・暗唱の素材としてそのまま使える「自然なスペイン語の文章」を多数ご用意しています。動画で内容と文法の両方を理解したうえで、PDF教材を使ってご自身で音読・暗唱の練習を進めていただく、という使い方も非常に相性が良いと思います。

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