スペイン語を中級レベルまで学習してくると、「文法は合っているのに、単語がしっくりこない」という場面に出会うことが増えてきます。
その原因の一つが、スペインとラテンアメリカで使われる単語の違いです。
どちらも正しいスペイン語なのに、地域によって使われる語彙が異なるため、慣れていないと「別の単語」に見えてしまいます。
今回は、スペイン語中級者ならぜひ押さえておきたい、地域差が特に大きい名詞7つを整理していきます。
リスニングや会話での混乱を減らすためにも、ここで一度まとめて確認しておきましょう。
スペインとラテンアメリカで異なる名詞7選
まずは一覧で見てみましょう。左がスペイン、右がラテンアメリカで一般的に使われる表現です。
| 意味 | スペイン | ラテンアメリカ |
|---|---|---|
| 携帯電話 | móvil | celular |
| パソコン | ordenador | computadora |
| マンション・アパート | piso | departamento |
| 車 | coche | carro |
| 切符・乗車券 | billete | boleto |
| ジュース | zumo | jugo |
| ジャガイモ | patata | papa |
どれも日常会話で頻出する名詞ばかりです。
それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。
① 携帯電話:móvil / celular
スペインでは móvil、ラテンアメリカでは celular が一般的です。
- He olvidado mi móvil en casa.(スペイン)
家に携帯電話を忘れた。 - No tengo batería en mi celular.(ラテンアメリカ)
携帯電話にバッテリーがない。
意味は完全に同じですが、地域によって自然さが変わります。
② パソコン:ordenador / computadora
これも非常に有名な違いです。
- Trabajo con el ordenador.(スペイン)
- Trabajo con la computadora.(ラテンアメリカ)
パソコンで仕事する。
どちらも正しいですが、ordenador はスペイン特有の語彙と言ってよいでしょう。
③ マンション:piso / departamento
住居に関する語彙も地域差がはっきり出ます。
- Vivo en un piso pequeño.(スペイン)
小さいマンションに住んでいる。 - Vivo en un departamento.(ラテンアメリカ)
マンションに住んでいる。
日本語の「マンション」とは少し感覚が違う点にも注意しましょう。
④ 車:coche / carro
日常会話で最も遭遇しやすい違いの一つです。
- Voy al trabajo en coche.(スペイン)
- Voy al trabajo en carro.(ラテンアメリカ)
車で仕事に行く。
ラテンアメリカでも coche が通じることはありますが、自然なのは carro です。
⑤ 切符・乗車券:billete / boleto
交通機関に関する語彙も、地域差がはっきり表れます。
- Compré un billete de tren a Madrid.(スペイン)
マドリード行きの列車のチケットを購入した。 - Compré un boleto de autobús.(ラテンアメリカ)
バスのチケットを購入した。
スペインでは billete が一般的ですが、ラテンアメリカでは boleto の方が自然です。
映画やイベントのチケットも、ラテンアメリカでは boleto が使われることが多い点も押さえておきましょう。
⑥ ジュース:zumo / jugo
食べ物・飲み物も、地域差が特に分かりやすい分野です。
- Quiero un zumo de naranja.(スペイン)
- Quiero un jugo de naranja.(ラテンアメリカ)
オレンジジュースが欲しい。
意味は完全に同じですが、スペインで jugo を使うと、ややラテンアメリカ的な印象になります。
旅行や留学の際は、訪れる地域に合わせた語彙を使えると、より自然な印象になります。
⑦ ジャガイモ:patata / papa
最後は、非常によく知られている語彙の違いです。
- Me gusta la tortilla de patatas.(スペイン)
私はじゃがいものトルティーヤが好きだ。 - Me gusta la papa frita.(ラテンアメリカ)
私はフライドポテトが好きだ。
スペインでは patata、ラテンアメリカでは papa が一般的です。
なお、スペインでも一部の地域では papa が使われることがあり、ここにも地域性が表れています。
なぜ中級でこの違いを押さえるべきか
初級のうちは、「通じればOK」で問題ありません。
しかし中級以降は、相手の地域に合わせた語彙選択ができるかどうかで、理解度と自然さに差が出てきます。
特にリスニングでは、「知らない単語」ではなく「知っているはずの意味なのに別の単語で出てくる」ことが理解を妨げます。
まずは、「どちらも正しい」「地域で違う」という事実を知っているだけでも、理解度は大きく変わります。
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前職の社内留学制度でペルー留学を経験し、ゼロからDELE C2 にわずか 11 ヶ月で合格。スペイン語技能検定1級合格(文部科学大臣賞)。
スペイン語教室「ヨルスペ」主宰、「ヨルスペオンライン」講師として延べ2万人以上にスペイン語を指導。
X(旧Twitter)、YouTube、Instagram、Threadsなど各種SNSでもスペイン語情報を発信中。合計フォロワー数は1.7万人以上。
