スペイン語を学んでいると、「あれ、どっちを使うのが正しいんだろう?」と感じる表現に必ず出会います。その中でも今回のテーマである 材料・素材の表現は、ser と estar がどちらも使えるため、初学者から上級者まで戸惑いやすいポイントです。
とはいえ、この2つの動詞の違いは決して難しいわけではなく、ニュアンスを一度理解してしまえば非常にクリアに使い分けられます。本記事では、ser de と estar hecho de の違いを丁寧に整理していきます。
材料・素材は ser と estar のどちらも使える
スペイン語では、材料・素材を表すときに ser も estar も使うことができます。ただし、それぞれニュアンスが異なります。
- ser de + 材料/素材:単に素材だけを述べる
- estar hecho de + 材料/素材:何を使って作られたか、製造過程を含めて言及
どちらも日本語訳としては「〜製だ」「〜で作られている」になりがちですが、スペイン語ではニュアンスがしっかり分かれています。シンプルに言えば、
serは素材そのもの、estarは素材+製造のイメージ
とまとめておくとわかりやすいと思います。
① ser de:単純に素材を述べる「〜製だ」
ser de は、もっとも基本的な「〜製だ」という表現です。特に製造過程や何から作られているかといったニュアンスは薄く、素材そのものにフォーカスします。
- La mesa es de madera.
テーブルは木製だ。
(=素材そのものに言及しているだけ)
- Este aceite esencial es de naranja orgánica.
このエッセンシャルオイルは有機オレンジ製だ。
自分の持ち物や家具、食品、素材の話をするときに最もよく使う定番の表現です。特に文脈が素材だけを述べるものであれば、基本的には ser de を使えば問題ありません。
② estar hecho de:素材+「作られている」過程にも焦点
estar hecho de は、「何を使って作られたのか」という製造過程まで含めて強調したいときに使う表現です。主語の性別・数に応じて hecho/hecha/hechos/hechas の形が変わる点にも注意しましょう。
- La mesa está hecha de madera.
テーブルは木材で作られている。
- Nuestro cuerpo está hecho de lo que comemos.
私たちの身体は食べるもので作られている。
こちらは素材だけでなく、「その素材を用いて、何かを作った」というプロセスを説明するイメージです。特に文章や会話の中で「素材を使って作られたもの」を丁寧に描写したいときに非常に便利です。
同じ木のテーブルでも、
- La mesa es de madera.(素材の情報)
- La mesa está hecha de madera.(素材+作られた過程)
という違いが生まれます。どちらも正しいものの、文章の焦点がどこにあるかによって使い分けると自然なスペイン語になります。
どちらを使うべきか迷ったときの基準
学習者として最も困るのは、「どちらを使うのが正しいのか?」という判断だと思います。このとき意識したいのは、次のポイントだけです。
- 素材だけを言いたい:ser de
- 素材+作られている過程にも触れたい:estar hecho de
例えば、お店で家具を見ていて「これは木製ですか?」と聞きたい場合は、
¿Es de madera?
で十分です。一方、作品の説明や料理の解説などで「〜を使って作られています」と丁寧に述べたいときは、
Está hecho de 〜
の方がより自然でニュアンスも適切になります。
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今回取り上げた ser と estar の使い分けは、教科書にも載っている内容ではありますが、実際に会話でニュアンスまで使いこなすためには例文の蓄積や文脈での理解が不可欠です。スペイン語では、このような「どちらも正しいけれど意味の焦点が違う」表現がとても多く、体系的に整理しておくと後の学習が一気に楽になります。
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