スペイン語には、「今すでにそうなっている状態」と「これからそうなる状態」を、動詞の選び方で区別する表現があります。
その代表例が、quedar+過去分詞 という形です。
この表現はとてもよく使われる一方で、estar+過去分詞と意味が似ているため、学習者の方が混乱しやすいポイントでもあります。
今回は、「quedar+過去分詞」が持つニュアンスを、estar との比較を通して、できるだけ分かりやすく整理していきます。
一度整理してしまえば、ニュース、案内文、ビジネスメールなどでスッと意味が取れるようになります。
結論:quedar は「これからその状態になる」
まず結論から確認しておきましょう。
quedar+過去分詞 の quedar を現在形で使うと、「今この時点を境に、これから〜の状態になる」という未来に向けた状態の変化を表します。
一方で、estar+過去分詞は、「すでにそうなっていて、今その状態である」という、単純な状態描写です。
この違いをまず頭に入れておくと、以下の例文が非常に理解しやすくなります。
| 表現 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| quedar+過去分詞 | これから〜の状態になる | 変化・決定・宣告 |
| estar+過去分詞 | 〜の状態である | 現状の説明 |
例①:queda prohibido と está prohibido の違い
まずは、非常によく見かける次の例文です。
- A partir de hoy, queda prohibido el acceso sin autorización.
今日から、許可なしでの立ち入りは禁止されます。
ここで使われている queda prohibido は、「今日から」という表現とセットになっており、今この時点を境に禁止状態になることを示しています。
つまり、「これから禁止になります」という宣告・告知のニュアンスです。
一方、次の文はどうでしょうか。
- Está prohibido el acceso sin autorización.
許可なしでの立ち入りは禁止されています。
こちらは、「すでに禁止されている状態」を説明しているだけです。
違いを整理すると、次のようになります。
| 文 | 時間のイメージ | 日本語的感覚 |
|---|---|---|
| Queda prohibido | これから | (今から)禁止になります |
| Está prohibido | すでに今 | 禁止されています |
例②:queda detenido と está detenido の違い
次は、ニュースやドラマなどでもよく聞く表現です。
- Queda usted detenido.
(これから)あなたは逮捕されます。
この文は、まさにその瞬間に状態が変化する場面で使われます。
「今からあなたは逮捕状態に入ります」という、宣告のニュアンスがはっきりあります。
これに対して、
- Está detenido.
あなたは逮捕されています。
は、「すでに逮捕されている状態」にあることを述べているだけです。
このように、quedar を使うと場面が動く、estar を使うと状態を眺める、という違いがあります。
その他のよくある例
- Queda cancelado el evento.
(これから)イベントは中止になります。 - Está cancelado el evento.
イベントは中止されています。 - Queda cerrada la tienda.
(今から)店は閉店します。 - La tienda está cerrada.
店は閉まっています。
掲示やアナウンスで queda+過去分詞 が多用される理由も、ここから理解できます。
「今この瞬間からルールが変わる」「状態が切り替わる」という意味を、一文で明確に伝えられるからです。
番外編:メールで使われる quedar の表現
最後に、過去分詞ではありませんが、メールの締めなどで非常によく使われる quedar の表現も紹介しておきます。
これらも、「これからその状態になる」という quedar の基本的なニュアンスは同じです。
- (Yo) Quedo a la espera de su respuesta.
(これから)あなたのお返事をお待ちします。 - (Yo) Quedo pendiente de cualquier novedad.
(これから)どんな新しい情報にも気を配ります。
これに対して、
- Estoy a la espera de su respuesta.
(すでに)返事を待っています。 - Estoy pendiente de cualquier novedad.
(すでに)気を配っています。
のように estar を使うとと、「もう待っている」「すでに対応中」というニュアンスになります。
ビジネスメールで quedar が好まれるのも、「これから対応する」という丁寧な姿勢を示せるからです。
まとめ
quedar+過去分詞と estar+過去分詞の違いは、次の一言で整理できます。
| 表現 | 核心イメージ |
|---|---|
| quedar+過去分詞 | これからその状態になる(変化・宣告) |
| estar+過去分詞 | すでにその状態である |
意味が似ているからこそ、時間(今からか/すでにか)を意識して使い分けてみてください。
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前職の社内留学制度でペルー留学を経験し、ゼロからDELE C2 にわずか 11 ヶ月で合格。スペイン語技能検定1級合格(文部科学大臣賞)。
スペイン語教室「ヨルスペ」主宰、「ヨルスペオンライン」講師として延べ2万人以上にスペイン語を指導。
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