スペイン語の過去表現の中でも、特に多くの学習者が迷うのが「点過去」と「線過去」の使い分けです。どちらも日本語では同じ「〜た」と訳される場合も多いため、違いが掴みにくいテーマのひとつだと思います。

しかし、実はこの2つはたった1つの視点を押さえるだけで、かなりスムーズに仕分けできるようになります。それは、

その一文だけで、その動作(または状態)が完了したことまで示しているかどうか

という基準です。今回は、ヨルスペで実際に出題している問題を取り上げながら、この判断基準をより深く理解できるよう丁寧に説明していきます。

【練習問題】点過去と線過去を仕分けしてみましょう

まずは、以下の日本語文のカギカッコ部分について、それぞれ点過去・線過去のどちらで表すべきかを考えてみてください。題材は、誰もが知る浦島太郎のお話です。

まだ答えを見たくない方は、ここで一度スクロールを止めて、じっくり考えてみてください。

——

カメは浦島さんを「乗せて
海の中をずんずんと「潜りました」。
海の中は赤やピンクのサンゴがどこまでも「続いています」。
やがて竜宮へ「着きました」。
カメに案内されるまま「進んでいくと
美しい姫さまが浦島さんを「出迎えてくれました」。

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解答はこのすぐ下にありますので、まだ考え中の方はスクロール注意です。






【解答】点過去・線過去の仕分け

  • ①「乗せて」:点過去
  • ②「潜りました」:点過去
  • ③「続いています」:線過去
  • ④「着きました」:点過去
  • ⑤「進んでいくと」:点過去
  • ⑥「出迎えてくれました」:点過去

この6つの中で線過去になるのは、③「続いています」だけです。サンゴの様子が「どこまでも続いている」という、状態の継続を表すためです。

一方、①②④⑤⑥については、いずれもその一文だけで動作が完了したことまで表しているため、点過去となります。

②「潜りました」が線過去にならない理由

特に多くの学習者が迷うのが②「潜りました」です。海の中に潜り、潜った状態がしばらく続いているように見えるため、線過去を選びたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、ここで問われているのは「潜った状態が続いていたかどうか」ではなく、文が表している動作がその一文で完結しているかどうかです。

「潜る」は、水面から水中へ沈む“瞬間的な行為”を指します。浮上したかどうかは別問題であり、この文では「潜った」という行為がすでに完了しているため、点過去になります。

⑥「出迎えてくれました」も点過去にすべき理由

こちらも線過去にしがちな箇所です。「姫さまが待ってくれていた」という文なら進行中の状態を表すため線過去になりますが、今回の文は「出迎えた」という完了した行為を示しています。

そのため、こちらも点過去として扱うのが正解です。

物語で点過去・線過去を判断する練習のすすめ

点過去と線過去の判断に悩んでいる方には、今回のように日本語の物語文を使って仕分け練習をする方法をおすすめしています。

日本語なら意味が分かりやすいので、動作が終わっているのか、まだ続いているのかを意識しやすく、スペイン語の過去形への理解が一段と深まります。

また、点過去・線過去はDELEでも西検でも頻出テーマですので、この段階で確実に自分のものにしておくと、その後の読解・作文が非常に楽になります。

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