スペイン語で「〜だから」と言いたいときに使う接続詞 porque。 一見シンプルに見えるこの単語ですが、「カンマを置くかどうか」で文の印象が変わることをご存じでしょうか?

今回は、学習者が混乱しやすい porque の前にカンマを置くかどうか の違いについて、例文とともに丁寧に整理していきます。 この3パターンを押さえておけば、作文でも自然な使い分けができるようになります。

カンマ無し:文の一部としての「単純な理由」

もっとも基本的なのがこのタイプです。 理由を説明する porque節が主節の一部として統合されているため、カンマは置きません。

  • Hoy hace mucho frío porque ya estamos en invierno.
    もう冬なので今日はとても寒いね。

この場合、文全体が「寒い理由」を説明するひとつのまとまりになっています。 英語の because と同じ感覚で、カンマを置くと不自然になります。

文の構造としては、主節(Hoy hace mucho frío)+従属節(porque ya estamos en invierno)という形で一文に融合しており、話し言葉でも滑らかに続けて発音されます。

💡ポイント

「単純な理由」を述べるときには、基本的にカンマを置かないのが原則です。 「なぜ〜か」を明示的に説明する場面では、カンマ無しの porque が自然です。

カンマ有り:推論の根拠を示すとき

次に、文全体が「推論」や「観察の根拠」になっている場合です。 このときの porque は、「〜だから」ではなく「〜だろう、なぜなら〜だから」のような意味合いになります。

  • Hoy hace mucho frío, porque llevas ropa gruesa.
    [テレビ電話などで…]今日はとても寒いんだね、だって君は分厚い服を着ているから。

このように、前半の文(寒いね)をもとに、後半でその理由を「観察や状況」から推測しているニュアンスです。 つまり、文の2つの部分がそれぞれ独立しており、porque の前で一度文を区切る=カンマを置くのが自然です。

カンマ有り:会話で理由を後付けするとき

最後のパターンは、会話で「理由を後から付け加える」ような場面です。 言い換えると、話し手が相手に何かを説明したり、納得させたりするときの 後付けの porque です。

  • No puedes entrar, porque no estás registrado.
    あなたは入れませんよ、登録されていませんから。

文の前半で一旦メッセージを伝えたあと、理由を付け加える形になります。 この場合も、porque の前にはカンマを置いて区切るのが一般的です。

話し言葉では、カンマの位置がそのまま「間(ま)」に置き換わります。 「入れませんよ(間)だって登録されていませんから」という自然なリズムをイメージすると分かりやすいでしょう。

まとめ:カンマの有無で文の関係が変わる

種類カンマ意味・ニュアンス例文
単純な理由無し主節と従属節が一体化Hoy hace mucho frío porque ya estamos en invierno.
もう冬なので今日はとても寒いね。
推論の根拠有り独立した文の因果関係Hoy hace mucho frío, porque llevas ropa gruesa.
[テレビ電話などで…]今日はとても寒いんだね、だって君は分厚い服を着ているから。
理由の後付け有り説明・補足・会話的No puedes entrar, porque no estás registrado.
あなたは入れませんよ、登録されていませんから。

つまり、porque の前にカンマを置くかどうかは、 「理由を文の中で説明しているのか」「後から補足しているのか」で判断します。

文法的な正誤ではなく、話し手の意識・文の構成によって変わる部分です。 作文では、読者にどう伝えたいかを考えて使い分けると、より自然な文になります。

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