スペイン語の「por el contrario」と「al contrario」｜似ているけど意味が違う２つの表現

スペイン語には「反対に」「逆に」というニュアンスを持つ副詞表現がいくつかあります。 中でも混同されやすいのが por el contrario と al contrario の２つです。

どちらも一見似たように見えますが、使われる文脈とニュアンスにははっきりとした違いがあります。 この記事では、この２つの違いを例文を通して整理していきましょう。

por el contrario は「反対に」「対照的に」を意味します。 ２つの事象を対比させるときに使われます。

• A mi mujer le gusta salir. Por el contrario, prefiero quedarme en casa.
  私の妻は外出するのが好きだ。対照的に、私は家にいる方が好きだ。

このように、文の前半と後半で性質の異なる事柄を並べるときに自然に使えます。 特に、DELEの作文や意見文で「AはBである。一方でCはDだ」と述べたいときに便利です。

たとえば、

• Algunos piensan que viajar es caro. Por el contrario, yo creo que es una inversión personal.
  旅行は高いと思う人もいるが、反対に私は自己投資だと思う。

por el contrario は論理的で少しフォーマルな響きがあり、作文やスピーチで特に重宝します。

al contrario は、相手の予想や発言を否定しつつ、「むしろ逆だ」と言い返すときに使います。 つまり、意外性や感情のこもった「いや、そうじゃなくてむしろ〜」のニュアンスです。

• A: ¿No te gusta esto?
  B: No, al contrario. ¡Me encanta este sabor!
  「これ好きじゃないの？」
  「いや、むしろ逆で、この味が大好きだよ！」

このように、相手の発言をひっくり返すような場面でよく使われます。 「反対に」というよりも、「むしろ逆で」と言い換えると自然です。

• Tus ideas no funcionarán. Al contrario, te traerán problemas.
  君のアイデアは機能しないだろう。むしろ逆に、君に問題をもたらすだろう。

文体的には、al contrario は日常会話で頻繁に登場します。 一方、por el contrario は論理的な文脈（作文・議論・記事など）で多用されます。

つまり、「AはBだが、CはDだ」と２つの事実を対比する場合は por el contrario、 「そう思うかもしれないけど、実は逆だよ」と意外性を出すなら al contrario が自然です。

DELEや西検の作文では、「AはBである。一方でCはDだ」といった 意見を対比させる構文が非常に多く出題されます。

そのような場面では、口語的な al contrario よりも、 論理的で引き締まった印象を与える por el contrario を使うのが安全です。

• Algunos piensan que el dinero trae felicidad. Por el contrario, creo que puede causar estrés.
  お金が幸せをもたらすと考える人もいる。一方で、私はそれがストレスを引き起こすこともあると思う。

このように「論理展開のつなぎ」として使えると、作文の完成度が一気に上がります。

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