スペイン語で「〜できる」を表現したいとき、多くの学習者の方が最初につまずくのが、poder と saber の使い分けです。
どちらも日本語では「できる」と訳されるため、文法書や参考書を読んでも、どこか腑に落ちないまま使ってしまっている方も多いのではないでしょうか。
一般的には、次のように説明されることが多いです。
- poder:一般的な意味での「できる」
- saber:能力・スキルとしての「できる」
もちろん、この説明自体は間違っていません。ただ、実際に作文や会話で使い分けようとすると、判断が難しいのも事実です。
そこで今回は、より実践的で分かりやすい考え方として、poder を「支障なくできる」と捉える方法をご紹介します。
poderは「支障なくできる」
poder は、「能力があるかどうか」というよりも、その行為を行う上で支障がないかどうかに焦点を当てた動詞です。体調・状況・時間・制限などを含めて、「問題なくできる」「妨げがない」と言いたいときに使われます。
- Ella puede hablar tres idiomas.
彼女は3言語を話せる。(=支障なく話せる)
※発音・知識・経験などを含めて、「問題なく話せる」のニュアンス
また、否定形(no poder=~できない/~するのに支障がある)になると意味がはっきりします。
- Ella no puede hablar hoy porque le duele la garganta.
彼女は喉が痛いので話せない。(=支障があり話せない)
※体調・状況などを含めて、「話すのに問題がある」のニュアンス
saberは「スキル・能力としてできる」
一方、saber はもっとシンプルで、「その行為をするためのスキル・知識を持っているかどうか」を表します。「できる/できない」が、ほぼ能力の有無に直結します。
- Ella sabe hablar tres idiomas.
彼女は3言語を話せる。(=話すスキルがある)
「話せるかどうか」という能力そのものにフォーカスしています。
否定文で考えると違いがより明確
- No puedo cantar.
私は歌えない。(=支障があり歌えない)
※「喉が痛いから」とか「場違いだから」とかの状況が想定される。 - No sé cantar.
私は歌えない。(=歌うスキルがない)
このように、「支障があるか」「能力がないか」で整理すると、自然に使い分けられるようになります。
まとめ
poder と saber の違いは、暗記で乗り切ろうとすると混乱しがちですが、
- poder:支障なくできるかどうか
- saber:スキル・能力があるかどうか
という視点で考えると、作文の際にも判断が非常に楽になります。ぜひ、今後スペイン語で文章を書くときの一つの判断基準として、意識してみてください。
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ここまで見てきたように、poder と saber はどちらも「できる」と訳されますが、見ているポイントが異なる動詞です。
この違いをなんとなく感覚で使い分けるのではなく、「支障があるかどうか」「スキルそのものの有無か」という視点で整理できるようになると、作文や会話での迷いが一気に減っていきます。
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前職の社内留学制度でペルー留学を経験し、ゼロからDELE C2 にわずか 11 ヶ月で合格。スペイン語技能検定1級合格(文部科学大臣賞)。
スペイン語教室「ヨルスペ」主宰、「ヨルスペオンライン」講師として延べ2万人以上にスペイン語を指導。
X(旧Twitter)、YouTube、Instagram、Threadsなど各種SNSでもスペイン語情報を発信中。合計フォロワー数は1.7万人以上。
