スペイン語の疑問詞 dónde(どこ?)は一見シンプルですが、実は前置詞との組み合わせで微妙に意味が変わります。 特に「どこへ?」と「どこで?」の使い分けは、日本語にはない感覚のため、初中級レベルの学習者がつまずきやすいポイントです。

今回は、少し細かいですが学習者がよく迷う2つのケースを、実例を交えてわかりやすく整理していきましょう。

「どこへ?」を表す ¿A dónde? / ¿Dónde? / ¿Adónde?

移動を表す動詞(ir, venir, viajar, moverse など)を使うときは、目的地を尋ねるために「どこへ?」という意味になります。 このとき、¿A dónde…? / ¿Dónde…? / ¿Adónde…? のいずれを使ってもOKです。

文法書では「a+dónde=adónde」と書かれることがありますが、実際の会話では「a dónde」でも問題ありません。 3つとも同義で、いずれも認められた言い方です。

  • ¿A dónde / Dónde / Adónde vas a viajar en las vacaciones?
    休暇中にどこに旅行しますか?
  • ¿A dónde / Dónde / Adónde quieres ir esta tarde?
    今日の午後、君はどこに行きたい?

つまり「移動=方向性がある」ときは前置詞 a を付けても付けなくてもOK。 実際には「¿Dónde…?」だけで済ませる話者も多く、特にラテンアメリカではシンプルに省略される傾向があります。

一方、文語的・明確に「どこへ」を示したい場合には “¿A dónde…?” や “¿Adónde…?” を選ぶとより丁寧です。

補足:「a dónde」と「adónde」はどちらが正しい?

どちらも正しいですが、スペイン王立アカデミー(RAE)は adónde を正式な書き言葉としています。 一方、会話では「a dónde」の方がよく使われ、柔らかい印象を与えます。 つまり、書くときは adónde/話すときは a dónde という使い分けを意識しておけば完璧です。

「どこで?」を表す ¿En dónde? / ¿Dónde?

次に、場所を表すときの「どこで?」です。 この場合も前置詞 en を付けても付けなくても構いません。 つまり、¿En dónde…? / ¿Dónde…? のどちらでも自然です。

  • ¿En dónde / Dónde vives?
    君はどこに住んでいるの?
  • ¿En dónde / Dónde ocurrió el accidente?
    どこで事故が起こったの?

一般的には ¿Dónde…? の方がより中立的で広く使われます。 一方、¿En dónde…? は「場所を明確にしたい」「少し強調したい」ときに用いられる傾向があります。 メキシコや中米のスペイン語では “¿En dónde…?” が特によく聞かれます。

文法的にはどちらも正解ですので、ニュアンスや地域によって使い分けるのが自然です。

まとめ:前置詞を付けても省いてもOK

「どこへ?」「どこで?」のどちらのパターンも、前置詞を付けても省いても意味が通じます。 実際のスペイン語では柔軟に使い分けられており、必ずしも文法書どおりである必要はありません。

用途主な表現意味
どこへ?¿A dónde? / ¿Adónde? / ¿Dónde?どこに(向かって)
どこで?¿En dónde? / ¿Dónde?どこで(場所)

つまり、スペイン語では「疑問詞+前置詞」の組み合わせはとても柔軟です。 日本語のように「前置詞を絶対に入れないと文が崩れる」というルールはなく、話者の自然な感覚で選択されます。

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