DELE C2に11ヶ月で合格した勉強法

ヨルスペオンライン講師のTakeです。私は2010年6月にゼロからスペイン語を学び始め、その11ヶ月後の2011年5月の試験でDELE C2に合格しました。この記事では私がどのようにスペイン語を学習したのかシェアしていきます。

DELEとは

DELEは”Diploma de Español como Lengua Extranjera”の頭文字を取ったスペイン語の国際試験で、日本語では「外国語としてのスペイン語検定」といったところです。現時点では世界に通用するスペイン語資格はDELEのみなので、毎年世界中で多くの人々がDELEを受験しています。

レベルは以下6段階に分かれています。英検やTOEICと比較するとそのレベル感が分かりやすいと思います。

レベル英検で例えると…TOEICで例えると…
A1(入門)3~5級120~
A2(初級)準2級225~
B1(中級)2級550~
B2(中上級)準1級785~
C1(上級)1級945~
C2(最上級)
※各テスト会社がCEFRを基準として発表した数値により作成した参考資料です。

勉強期間の目安は、A1は半年程度、A2は1年~1年半程度、B1は2~3年程度、B2以上になると数年にわたる勉強時間を確保する必要があります。B2はTOEIC785点に相当するので、そのレベルの高さを直感的にご理解いただけると思います。

C2は英検やTOEICのスコアでは測定不能なほどハイレベルですが、私はスペイン語を学び始めてからわずか11ヶ月で合格しました。スコアは以下の通りです。”APTO”は「合格」の意味です。私が受験したのは2011年なので、現在とは形式が異なる点にご注意ください。

APTOは「合格」のこと

今回の記事では、私はどうやってDELE C2に11ヶ月で合格できるほどのスペイン語力を短期間で身につけたのか、その勉強法をシェアしていきます。状況や環境が異なるので再現するのは難しいかもしれませんが、参考にしていただける部分も多いと思います。

11か月でDELE C2に合格できるまでに至った勉強法

DELEは「読む・書く・聞く・話す」の4技能がバランスよく試される試験です。「読解・作文パート」、「リスニング・面接パート」でそれぞれ定められている足切り点数を超えると晴れて合格になります。そのため、DELE合格のためには、「読む・書く・聞く・話す」の4技能をどれだけバランスよく伸ばすことができるかがカギです。私は以下のようにこの4技能を伸ばしました。

読解力を伸ばすためにやったこと

当時、私は前職の社内留学制度でペルーに滞在していたので、現地のスクールに通いながらスペイン語を学んでいました。最初は文法も単語も全くわからないので、使える文章や単語を増やすために、暗唱できるようになるまで長文の音読を繰り返しました。気を付けていた音読のポイントは以下です。

  • 文法を理解できる長文を選ぶ
  • 暗記できるようになるまで声に出して読む
  • 覚えていなければ最初からやり直す
  • 覚えた長文を発表するつもりで先生に暗唱して聞かせる

後から振り返ると、「音読→暗唱→発表」を徹底していたのが読解力向上にものすごく役に立ちました。動詞の活用はスムーズに覚えられるし、語彙はどんどん増えるし、文章をまとまりで覚えられるので文法理解度もグンと上がりました。

ある程度スペイン語を覚えた後は、現地の新聞を欠かさず毎日購入して、気になる記事を片っ端から読んで読解力を磨きました。

リスニング力を伸ばすためにやったこと

読解力のパートでご紹介した音読を続けた結果、自然とリスニング力も伸びていきました。自分で発音できる言葉は聞き取ることができるのを実感しました。音読以外では以下に取り組みました。

  • お気に入りのラジオ番組を毎日欠かさず聴く
  • ホームステイ先でできるだけ会話に加わる
  • スペイン語のドラマ視聴
  • 暇な時間は常にスペイン語の音源を聴く

リスニング力は結局のところ「どれだけたくさん聴くか」なので、時間があったら取りあえず何かしら聴くのがオススメです。

書く力を伸ばすためにやったこと

実のところ、書く練習はそれほどやりませんでした。ここまでに書いてきた音読→暗唱を繰り返していくと、自然と頭の中に使える文章や単語のストックが増えてくるので、それらを組み合わせて文章を作るだけで文法ミスのないスペイン語を書けるようになりました。但し、DELE合格を目指すのであれば、DELEで好まれる表現を一通り押さえておきましょう。私も模擬試験集などを使って定型フレーズを学びました。

話す力を伸ばすためにやったこと

音読→暗唱を繰り返していたので十分なフレーズが頭にあり、初期段階から話すことにそれほど不自由を感じたことはありませんでした。何かを話したいと思ったときには、頭の中のストックから近い文章を選んでアウトプットするだけで、順調に話す力も伸びていきました。結局のところ、音読→暗唱が私の「読む・書く・聞く・話す」の4技能のベースになっています。

しかし、DELEの前には「即興3分スピーチ」なるものに1か月程度取り組んでいました。やり方は以下です。

  • 自分が日頃読んでいる本を適当に開いて、目を閉じて指をさす
  • 指が示している単語をテーマに先生に向かって即興で3分間のスピーチをする
  • 事前に考える時間はなし。指が示している単語を確認したら直ちに話し始める。

このトレーニングの狙いは、「話しながら話す内容を考える能力を養うこと」です。これのおかげで基本的にどんなテーマでも数分間話し続けられる力が養成されました。

短期間で伸ばすなら音読が効果的

以上が私がDELE C2にゼロから11ヶ月で合格した勉強法です。少しでもご参考になれば幸いです。

なお、私がゼロから11ヶ月でDELE C2に合格したのは、私が当時置かれていた状況や環境のおかげもあるため、再現するのは難しいかもしれません。しかし、もし短期間で正しいスペイン語を身につけたければ、ぜひ「音読→暗唱」を日頃の学習に取り入れてみて下さい。かなりの忍耐力を必要とする学習法ではありますが、その分凄まじい効果があることをお約束します。ぜひ試してみて下さい。