DELE A2まで進んだ学習者の多くが、次のステップとして意識するのがDELE B1です。読解や聴解はなんとなく対応できそうでも、作文や口頭試験になると一気に難しくなるイメージを持つ方は少なくありません。
特にB1は、スペイン語学習における「中級の入口」とされ、A2までと比べると「できるべきこと」がグッと広がります。試験時間が長くなり、文章の構成力が求められ、写真描写や状況対話のような複合的なタスクも登場してきます。
しかし、DELE B1の試験は、タスクの内容も評価基準も非常に明確です。A2の知識を土台にしながら「どこを伸ばせば良いのか」を把握できれば、飛躍のイメージは比較的つかみやすいものです。
この記事では、DELE B1の試験形式や合格基準、A2から何が変わるのか、そして各パートの攻略法を、できる限り丁寧に整理して解説していきます。はじめてB1に挑戦する方でも迷わないよう、ひとつひとつ順番に確認していきましょう。
DELE B1とは?A2の次に目指す「中級レベル」資格
DELE B1は、スペイン語の「中級前半」に相当するレベルで、A2からの飛躍にあたる大きなステップです。合格することで、日常生活の大部分に対応できる次のような能力が証明されます。
- 主要な論点理解:仕事・学習・日常生活の既知テーマについて、標準的なスペイン語の口頭/書面テキストの要点を理解できる
- 対応能力:日常的な場面のほとんどの状況に自力で対応できる
- 意見表明:経験・出来事・願望・計画・意見を、明確で一貫性のある文章にまとめられる
ここからは、B1試験の構成と難易度の変化を細かく見ていきます。
DELE B1の試験構成:4科目・各25%
| 試験 (Prueba) | 内容 | タスク数 | 時間 | 配点 |
| Prueba 1 | 読解 | 5 | 70分 | 25% |
| Prueba 2 | リスニング | 5 | 40分 | 25% |
| Prueba 3 | 作文 | 2 | 60分 | 25% |
| Prueba 4 | 口頭試験 | 4 | 15分(準備15分) | 25% |
4つの技能を偏りなくバランスよく仕上げることが、合格の近道になります。
A2からの大きな変化:B1で求められること
- 試験時間の増加:読解は70分、作文は60分と情報処理量が大幅に増える
- 表現の複雑化:作文では230〜270語が求められ、接続詞を使った流れのある文章が必須
- タスクの増加:口頭試験は4つのタスクに拡大し、写真描写・状況対話など複合的な能力が評価される
それぞれの試験内容と攻略のポイントを、順番に解説していきます。
Prueba 1:読解(70分・5タスク・30問)
広告・案内文・メール・短い記事など幅広いテキストから、主要なアイデアや特定情報を読み取る力が問われます。攻略の鍵は、次の2点です。
- 接続詞(pero, porque, además など)に注目し、論点の転換をつかむ
- 段落ごとの役割(主張・理由・例)のパターンを見抜く
読解は量が多いため、本文の全訳ではなく、論点の流れを素早く把握する練習が重要です。
Prueba 2:リスニング(40分・5タスク・30問)
広告、案内、個人的経験を語るモノローグなど、多様な音声が出題されます。音声は2回再生されるため、次のポイントを押さえましょう。
- 話し手の意図(意見・願望・経験)を細部ではなく「主要アイデア」として捉える
- 選択肢は事前にざっと読み、ポイントを先読みする
語彙力よりも、文脈から意味を推測する力が重要になります。
Prueba 3:作文・筆記交流(60分・2タスク)
合計230〜270語を書きます。構成力と文法の正確さが問われます。
| タスク | 内容 | 推奨語数 |
| Tarea 1 | 指示文に基づき、手紙・メールなどを書く | 100〜120語 |
| Tarea 2 | 経験・意見を含む文章を書く(過去形・接続法を使用) | 130〜150語 |
特にTarea 2では、
- 過去形(現在完了 / 点過去 / 線過去)
- 意見+理由(Creo que… porque…)
- 接続詞(además, por eso など)
といった構成力が、合否を左右します。
Prueba 4:口頭試験(準備15分+本番15分)
B1で最も難易度が上がるパートです。4つのタスクをこなしながら、自分の意見・経験を明確に伝える力が求められます。
| Tarea | 内容 | 求められる能力 |
| Tarea 1 | テーマについての短い発表 | 意見・経験を構成して述べる |
| Tarea 2 | Tarea 1のテーマに関する対話 | 質問に答え、会話を維持する |
| Tarea 3 | 写真描写+関連質問 | 描写→自分の環境への関連付け |
| Tarea 4 | 状況対話(依頼・相談・苦情など) | 日常的ニーズに応じた応答 |
B1口頭試験では、意見・理由・具体例の3点セットで話す意識を持つと安定します。
合格基準:技能グループと評価スケールを理解する
B1の合否はA1・A2と同様、4技能を2つのグループに分けて判定されます。
| グループ | 試験 | 最低点 |
| グループ1 | 読解+作文 | 30点 / 50点満点 |
| グループ2 | リスニング+口頭試験 | 30点 / 50点満点 |
さらに作文と口頭試験は、0〜3のスケールで採点され、合格ラインはスケール2です。
| スケール | 特徴 |
| 3 | 情報を十分に提示し、適切な語彙と構成で表現できる |
| 2(合格ライン) | シンプルな接続詞で文をつなぎ、明確で理解可能な情報を提供できる |
| 1 | 語彙・構文が限定的で、誤りが多く内容が不明瞭 |
| 0 | タスク未達成・極端に不十分 |
B1に合格するには、文法知識(特に過去形・接続法)と接続詞を使った論理的な文章構成が不可欠だと覚えておきましょう。
ヨルスペオンラインでDELE B1の土台を作ろう
ここまで見てきたように、DELE B1は明確な評価基準とタスク構造をもつ「準備できる試験」です。必要なのは、A2で培った基礎の上に、構成力・表現力・意見提示力を少しずつ積み上げていくことです。
ヨルスペオンラインでは、A1〜C1の文法・語彙・読解の丁寧な解説に加え、DELE・西検に向けた作文添削や質問対応も行っています。B1対策としては、
- 過去形・接続法の運用練習
- 短い意見文・体験談の構成練習
- 写真描写・状況対話など口頭試験の頻出テーマ練習
といった形で、試験でそのまま使える表現を一緒に整えていくことができます。
はじめてのB1でも、正しい準備をすれば決して難しい試験ではありません。ひとつずつ積み上げながら、中級への階段を確実に登っていきましょう。
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