スペイン語を学んでいると、同じ「試験どうだった?」という表現でも、主語によって微妙にニュアンスが変わる場面に出会います。今回の記事では、ヨルスペオンラインの受講生の方からいただいたご質問をもとに、¿Cómo le ha ido en el examen? の主語は何か、そして似た表現との違いを丁寧に整理していきます。
こうした「文の中に主語が見えない」「どこで主語を読み取るのか分からない」という疑問は、特に中級以降の学習者が必ず通るポイントです。今回のケースは特に、前置詞 en があることで余計に迷いやすいものですが、構造を順に追うとすっきり理解できます。
今回いただいたご質問
受講生の方からは次のようなご質問をいただきました。
¿Cómo le ha ido en el examen? は「試験はどうだった?」という意味だと思いますが、主語は
el examenですか?
前にenがあるので、主語が何なのか混乱してしまいました。
この疑問は非常に本質的で、どこに焦点を当てた質問なのかを明確にするうえで避けて通れないポイントです。
結論:¿Cómo le ha ido en el examen? の主語は「todo」
結論から言うと、この文の主語は文中に明示されていませんが、todo(色々なこと、全体としての出来事) です。
en el examen は「試験という場において」を示すだけで、主語ではありません。つまりこの文は、
(試験の場で)色々どうだった?/全体的にうまくいった?
というニュアンスで、明確に「試験を受けた人」への質問になります。相手のパフォーマンスや感触を尋ねる表現です。
似ているけれど違う2種類の「試験どうだった?」
今回の理解を深めるために、まずは「主語は何か」でニュアンスがどう変化するかを整理してみましょう。
- ① ¿Cómo le ha ido el examen?
主語=el examen
→ 試験そのものの進行を尋ねる。「無事に実施できた?」というニュアンス。
→ 試験の責任者・主催者に対して尋ねるのが自然。 - ② ¿Cómo le ha ido (todo) en el examen?
主語=todo(省略される)
→ 試験を受けた本人のパフォーマンス・手応えを尋ねる。
→ 「試験どうだった?」と受験者に聞く一般的な言い方。
主語が違うだけで、意味は大きく変わることが分かります。日本語ではどちらも「試験どうだった?」と訳せてしまうため、スペイン語学習者には特に混乱しやすいポイントです。
「¿Cómo+ir?」は“進み具合”を尋ねる便利表現
今回の質問に登場した ¿Cómo + ir? の形は、スペイン語で非常によく使われます。ポイントは、物事がどのように進んでいるかを漠然と尋ねる表現だということです。
- ¿Cómo te va (todo)?
(色々)どう? - ¿Cómo va el proyecto?
計画はどんな調子? - ¿Cómo te fue (todo) en la reunión?
打ち合わせ、どうだった?(あなたの出来・パフォーマンス) - ¿Cómo fue la reunión?
打ち合わせはどうだった?(開催側に「うまく進んだ?」と聞いている)
このように、「主語が何か」で焦点が変わり、同じ日本語訳でもスペイン語ではまったく違う意味の文になります。
ヨルスペオンラインで「構造から理解するスペイン語」を身につけよう
今回のような「主語が省略されている文」や「間接目的語の役割」が絡む文は、一度しっかり整理してしまえば一気に理解が深まり、自分でも応用できるようになります。
ヨルスペオンラインでは、こうしたスペイン語の構造的なポイントを、日本語で論理的に説明しています。文法・語彙・読解・作文まで、スペイン語を体系的に学びたい方にぴったりの内容です。
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