スペイン語の動詞 avisar(知らせる)は、一見シンプルに見えますが、実際には目的語の取り方が少しトリッキーです。 「誰に」「何を」知らせるのかによって、文の構造が変わり、直接目的語と間接目的語のどちらを使うかも異なります。
今回は、そんな少し迷いやすい avisar の使い方を、2つのパターンに分けて整理してみましょう。
avisar a 人 de algo:「人に○○を知らせる」
まずは基本となる構文 avisar a 人 de algo です。 このときの a+人 は直接目的語として扱われます。
- Avisé a María de la reunión.
マリアに会議のことを知らせた。
ここで注意したいのは、「知らせた相手=María」が直接目的語になるという点です。 多くの学習者が「a 人」があると自動的に「間接目的語」と思いがちですが、avisar の場合は例外です。
したがって、代名詞で置き換える場合はla(女性・単数の直接目的語代名詞)を使います。 間接目的語代名詞 le は使いません。
- ❌ Le avisé (a María) de la reunión.
- ⭕ La avisé de la reunión.
このように、a+人があっても「誰に」を直接目的語として扱う構造になっているため、代名詞の種類が変わることに注意しましょう。
avisar a 人 que+文:「人に〜だと伝える」
もう一つの構文が avisar a 人 que+文 です。 この場合、文の構造が少し変わり、「知らせた内容=que節」が直接目的語、 「知らせた相手=a 人」が間接目的語になります。
- Avisé a María que la reunión empezaba a las tres.
会議は3時に始まるとマリアに伝えた。
つまり、前項の avisar a 人 de algo と異なり、目的語の関係が逆転しているわけです。 この場合は、間接目的語代名詞 le を併用できます。
- ⭕ Le avisé (a María) que la reunión empezaba a las tres.
「彼女に伝えた」=Le avisé の部分で「誰に」を補い、 「伝えた内容」=que la reunión empezaba a las tres が直接目的語として文全体を受けます。
動詞avisarは構造が特殊
このように avisar は、文型によって目的語の種類が変わる少し特殊な動詞です。 「知らせる相手」か「知らせる内容」か、どちらを主として扱うかで構文が変わります。
| 構文 | 意味 | a+人の役割 | 代名詞 |
| avisar a 人 de algo | 人に○○を知らせる | 直接目的語 | lo / la / los / las |
| avisar a 人 que+文 | 人に〜だと伝える | 間接目的語 | le / les |
代名詞を正しく使えるようになると、作文や会話の自然さが一段と上がります。 一見地味な部分ですが、この使い分けを理解しているとより自然な文が書けるようになります。
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