スペイン語で「感謝する」を表す表現はいくつかありますが、学習者の方が非常によく混乱するのが、動詞agradecer の使い方です。
特に多いのが、「Gracias por ~」の感覚をそのまま引きずってしまい、Agradezco por … と言ってしまうケースです。
これは実は、文法的に誤りになります。
今回は、スペイン語の動詞 agradecer の基本的な性質から、por を使う場合/使わない場合、さらに estar agradecido/a との違いまで、丁寧に整理していきます。
よく使う表現だからこそ、ここで一度しっかり整理しておきましょう。
agradecer は他動詞
まず最も重要なポイントです。
agradecer は他動詞です。
つまり、「感謝している対象(=何を感謝しているか)」は、前置詞なしで直接目的語として置く必要があります。以下の例文を見てみましょう。
- (Yo) Agradezco tu consejo.
君のアドバイスを感謝します。 - (Yo) Agradezco tu apoyo.
君の支援を感謝します。
このように、agradecer+名詞 が基本構造です。
一方で、以下のような文を作ってしまう学習者の方が多いですが、これは文法的に誤りです。
Agradezco por tu consejo. ❌
「Gracias por ~」に引っ張られてしまいがちですが、agradecer では por は使えない、という点をしっかり押さえておきましょう。
estar agradecido/a の場合は por を使う
続いて、「感謝している状態」を表す estar agradecido/a も押さえておきましょう。
この場合は、他動詞ではなく形容詞 agradecido/a を使った表現になるため、前置詞 por が必要です。
- (Yo) Estoy agradecido por tu apoyo.
君の支援に感謝しています。 - Mis padres están agradecidos por la amabilidad de los vecinos.
私の両親は近隣住民たちの親切さに感謝している。
つまり、以下のように整理することができます。
- agradecer → 他動詞(por 不要)
- estar agradecido/a → 形容詞表現(por 必要)
感謝している「相手」を表す場合
ちなみに、agradecer / estar agradecido/a のどちらでも、感謝している相手は間接目的語(me / te / le / nos / os / les)で表現できます。
- Le agradecemos la información que nos ha proporcionado.
あなたが私たちに下さった情報を感謝します。 - Te estoy agradecido por todo.
君にはすべてに感謝しているよ。
「誰に」「何を感謝しているのか」を分けて考えると、文の構造が見えやすくなります。
まとめ
最後に整理しておきましょう。
- agradecer+名詞:〇〇を感謝する(por は不要)
- estar agradecido/a por+名詞:〇〇に感謝している
- 感謝している相手は 間接目的語 で表現できる
この違いを押さえておくだけで、「感謝」の表現がぐっと自然になります。
よく使う表現だからこそ、ぜひこのタイミングで定着させてください。
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前職の社内留学制度でペルー留学を経験し、ゼロからDELE C2 にわずか 11 ヶ月で合格。スペイン語技能検定1級合格(文部科学大臣賞)。
スペイン語教室「ヨルスペ」主宰、「ヨルスペオンライン」講師として延べ2万人以上にスペイン語を指導。
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