スペイン語初級者が混乱しやすいポイントのひとつが、「a+人」と間接代名詞 le/les の関係です。 どちらも「〜に(人)」を示す表現ですが、実は動詞の種類によって使い方が変わります。
特にややこしいのが gustar のような「gustar形動詞(=主語と目的語が反転する構文)」と、enviar や dar などの通常動詞との違い。
この記事では、この2つのタイプを整理しながら、自然な使い方を丁寧に解説します。
① gustar形動詞では「a+人」と le/les を併用する
gustar 形の動詞(gustar, interesar, encantar, molestar など)は、
「A(人)」が「B(もの/行為)」を好む・興味を持つ・迷惑に感じるという構文になります。
そのため、「Aの人」にあたる部分は常に間接目的語となり、le/lesを併用するのが基本ルールです。
- ⭕️ A Jorge le gusta viajar.
ホルヘは旅するのが好きだ。 - ⭕️ Le gusta viajar a Jorge.
同じ意味で語順を変えた形。 - ❌ A Jorge gusta viajar.
le がないため誤り。 - ❌ Gusta viajar a Jorge.
同上、文法的に不自然。
このように、gustar形動詞では a+人 があっても、 le/les を省略してはいけません。 文法ルールとしてしっかり押さえておきましょう。
② 通常動詞では位置によって le/les が変わる
一方で、普通の動詞(例:enviar, dar, mostrar, preguntar など)は、
「誰に」を表す a+人 の位置によって le/les の扱いが変わります。
以下の2パターンを押さえれば十分です。
①「a+人」が動詞の前にある場合 → le/les が必須
- ⭕️ A Jorge le envío la carta.
私はホルヘに手紙を送る。 - ❌ A Jorge envío la carta.
le が抜けているため不自然。
前置き構文の場合、「a+人」は文頭に出るため、文法的な主格や目的語との関係が薄れます。 そのため、文の一貫性を保つために le/les が必要になります。
②「a+人」が動詞の後にある場合 → le/les は省略可能
- ⭕️ Le envío la carta a Jorge.
私はホルヘに手紙を送る。 - ⭕️ Envío la carta a Jorge.
同じ意味。le を省いても文法的に正しい。
このように、「a+人」部分が動詞の後ろにある場合は le/les がなくてもOKです。 ただし、スペイン語ではリズムや明確さのために 併用されることも多いので、 日常的には「Le envío la carta a Jorge.」の形をよく耳にします。
まとめ:gustar形では必須、通常動詞では位置で変わる
| 動詞タイプ | 例文 | le/les の扱い |
|---|---|---|
| gustar形動詞 | A Jorge le gusta viajar. | ✅ 必須(省略不可) |
| 通常動詞(a+人が前) | A Jorge le envío la carta. | ✅ 必須 |
| 通常動詞(a+人が後) | (Le) envío la carta a Jorge. | ⭕️ 省略可(しかし併用も多い) |
このルールを整理しておくだけで、文法的なミスを大幅に減らすことができます。 特に gustar 系は日本語の「〜が好き」「〜に興味がある」と構造が逆になるため、 「常に le/les を入れる」を意識するようにしましょう。
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