スペイン語をある程度学んでくると、「〜する時に」を表す表現の幅を広げたくなるものです。 最初はみんなcuandoを使いますが、作文やレターでは少し単調な印象になることもあります。

そんなときに使える便利な表現が、a la hora de+不定詞です。 直訳すると「〜の時間に」ですが、実際には「〜する段階で」「〜する際には」といった説明的・フォーマルな響きを持ちます。

① a la hora de+不定詞の意味と使い方

a la hora de+不定詞は、行動の「直前」や「決定の段階」を説明する際に使います。 ニュアンスとしては、単に「〜するとき」ではなく、「〜するにあたって」「〜の段階で」といった、少し客観的で分析的な印象になります。

文の中では、副詞句のように使われ、主文の動詞全体を修飾します👇

  • Hay que estar bien informado a la hora de comprar una vivienda.

    住宅を購入する際には、よく情報を仕入れておかなければいけない。
  • Los jóvenes se enfrentan a la realidad a la hora de elegir su profesión.

    若者は職業を選択する段階で現実に向き合うことになる。

このように、「意思決定」「行動開始」「判断」などに関わる文脈でよく使われます。 英語にするとwhen it comes to〜at the time of〜ingのような感覚に近いですね。

② cuandoとの違い:「説明的」か「自然な時制表現」か

では、「〜する時に」をすでに表せるcuandoとどう違うのでしょうか。 結論から言うと、両者は意味的には似ていますが、文体レベル焦点が異なります。

  • cuando:出来事を自然な流れで述べる(口語的・中立)
  • a la hora de+不定詞:行為や判断の「段階・状況」を説明する(説明的・フォーマル)

たとえば次の2文を比べてみてください。

Cuando compras una vivienda, tienes que informarte bien.
住宅を買うときは、よく情報を集める必要がある。

Hay que estar bien informado a la hora de comprar una vivienda.
住宅を購入する際には、よく情報を仕入れておかなければいけない。

①は「時制の順序」に焦点があり、話し言葉に自然です。 ②は「判断・準備段階」というニュアンスがあり、やや客観的で説明的。 作文やビジネス文書では②の方が好まれます。

③ DELE・作文試験での使い方と注意点

DELEや西検の作文で「a la hora de+不定詞」を使うと、 文全体がぐっと引き締まり、より自然で上級者らしい印象になります。

  • A la hora de redactar un informe, es importante ser claro y conciso.

    レポートを書く際には、明確で簡潔であることが重要です。
  • A la hora de tomar decisiones, debemos analizar todas las opciones.

    意思決定を行う際には、すべての選択肢を分析すべきだ。

ただし、使いすぎると「説明書のような印象」になってしまうので、 cuandomientrasなどとバランスを取りながら使うと自然です。

④ まとめ:「説明的に書く力」は上級への第一歩

「a la hora de+不定詞」は、 日常会話よりも作文・レポート・プレゼンなど、論理的に説明する文脈で真価を発揮する表現です。

中級を超えて上級へ進むには、単に「話せる」だけでなく、 「説明できる」文体を身につけることが鍵になります。 ぜひこの表現を、日頃の作文練習の中で積極的に使ってみてください。

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